個人事業者に対する平成17年度分の消費税について
Q
個人で事業を営んでいます。
平成15年度の課税売上が1千万円を超えたので、平成17年から初めて消費税の納税義務者になります。税務署から「消費税のお尋ね」や「消費税の届出書関係の書類」が届きましたがどうすれば良いのか分かりません。納税義務者となった場合にやるべきことを教えて下さい。
A
「消費税のお尋ね」が送られてきた意味は、国が新たに消費税の課税事業者となる個人事業者や法人を把握するためです。
平成17年度に課税事業者になる個人事業者は平成15年度分の課税売上高が1,000万円を超えている個人事業者です。
該当する方は最初に、「消費税課税事業者届出書」を税務署に提出してください。
(注)提出が遅れても罰則はありません。
- (注意点)
- 良く似た名称の届出書に「消費税課税事業者選択届出書」がございますのでお間違えのないようにご注意下さい。
この届出書は本来納税義務の無い課税売上高が1,000万円以下の個人事業者や法人が、大きな設備投資等を行うために多額の消費税を納め、預かり消費税(課税売上にかかる消費税)よりも支払った消費税が多かった場合、税務署に消費税の申告書を提出すれば消費税が還付されるという届出書です。自ら消費税の課税事業者になることを選択しているので「消費税課税事業者選択届出書」と名付けられています。
ちなみに、この届出書は還付を受ける年の前年の末日までに提出していなくてはいけません。平成17年に多額の設備投資をするのであれば平成16年の年末までに届出書を提出していなくては課税事業者にはなれません(還付されません)。
次に、平成15年度の課税売上が5,000万円以下の場合には平成17年12月31日までに、消費税の納税額の計算を原則課税制度(注1)、簡易課税制度(注2)のどちらかを選択すると有利なのかを検討してください。
平成17年度の所得について簡易課税制度を選択する場合には、平成17年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すれば、簡易課税制度の適用を受けることが出来ます。
(参考)
ただし、この提出期限は平成17年度以降新たに消費税の納税義務者となる個人事業者、法人について設けられた特例で、原則は、平成17年度に簡易課税制度の適用を受けるのであれば、平成16年の年末までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していなければ簡易課税制度を選択することはできません。
用語の説明
(注1)原則課税制度とは、売上や雑収入のうち相手方から徴収した消費税の額から、実際に負担した消費税の額を差し引いた額を納付する消費税(負担した消費税が多い場合には還付される消費税)とする制度です。
(注2)簡易課税制度とは、実際に負担した消費税を一切見ないで売上だけで納付すべき消費税を求める制度です。事業内容により負担した消費税の額として「一定の仕入率」が決められており、その仕入率を使い計算します。
同じ売上でも事業内容により納付する消費税は変わります。
例)事業:小売業
売上 1,050円 (うち消費税50円)
仕入 630円 (うち消費税30円)
給与 100円
利益 320円
原則課税制度の場合の納税額
50円(売上)-30円(仕入)=20円(納付すべき消費税)
簡易課税制度の場合の納税額
(1) 1,050円×100 / 105=1,000円(消費税抜きの売上高を求めます)
(2) 1,000円×5%(国税4%、地方消費税1%)=50円(売上に係る消費税額を求めます)
(3) 2×80%=40円(小売業の場合には仕入率は80%と決められています。(3)の金額は原則課税制度で言うと仕入に係る30円になります)
(4) (2)-(3)=10円(納付すべき消費税)
この例では簡易課税制度が有利となります。
税理士 岡田 桜
[2005年10月3日 掲載]
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