第12回 企画業務型裁量労働制に関する改正 (2) 労使委員会について
労使委員会って?
『賃金、労働時間その他の事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対しこれら事項について意見を述べることを目的とする委員会』
をいいます。
委員会は、使用者および労働者代表により構成され、委員の半数は、労働組合(労働者の過半数で組織されるもの)、そのような組合のない場合は労働者の過半数を代表する者によって任期を定めて指名された者でなければなりません。
労使委員会に関する要件が緩和されました
企画業務型裁量労働制の導入の前提として、まずは労使委員会を設置する必要がありますが、その要件についてはなかなか現状に添うものではなく、手続についても重複する結果になっていることから、今回の法改正によりその要件が緩和されることとなりました。

ここがポイント
労使委員会の決議の要件が緩和されたことにともない、労使委員会の決議で労使協定の代替をするつぎのような場合についても、委員の5分の4以上の多数による議決で足りることになりました。
- 一ヶ月単位の変形労働時間制
- フレックスタイム制
- 一年単位の変形労働時間制
- 一週間単位の変形労働時間制
- 一斉休憩の適用除外
- 時間外労働・休日労働
- 事業場外労働に関するみなし労働時間制
- 裁量労働制に関するみなし労働時間制
- 年次有給休暇に関するみなし労働時間制
- 年次有給休暇の期間の賃金の支払方法
定期報告事項が簡素化されました
この制度を導入した使用者は、定期的に報告を行う必要がありましたが、法改正により事務負担の軽減の観点から一部項目が削除されました。

ここに注意
このように、定期報告事項から苦情処理措置について削除されていますが、こちらについては引き続き、労使委員会で決議されることが必要です。
また、指針で、労使委員会は対象労働者からの苦情の内容およびその処理状況に関する苦情処理措置の実施状況を開示することが適当とされていることから、その適正な実施を図ることが必要です。
さらに、今回定期報告事項からは削除されていますが、苦情処理措置として講じた内容については、3年間の保存義務がありますので注意が必要です。
健康・福祉確保措置って?
今回の法改正により、健康福祉確保措置の一例としてつぎの事項が追加されました。
<追加事項>
働き過ぎによる健康障害防止の観点から、必要に応じて産業医等による助言・指導を受け、または対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせること。
使用者は、裁量労働制の対象労働者についても、健康確保の責務があります。
把握した対象労働者の勤務状況およびその健康状態に応じて、必要な場合に措置を行ってください。
例えば・・・
対象労働者への企画業務型裁量労働制の適用を除外するといった措置が該当します。
ここがポイント
今回の法改正により、労使委員会の設置届出が廃止となりましたが、同届出に記載されていた次の事項については引き続き把握することが必要な事項とされ、労働基準監督署に対する労使委員会の決議についての届出の様式に追加されています。
(1)「運営規程」に関する項目
|
| (2)任期を定めて指名された委員の「任期」 |
ここに注意
労使委員会の決議の届出が所轄労働基準監督署長に行われない場合には、企画業務型裁量労働制の効力は発生しません。
社会保険労務士 米田聡美
[2006年3月9日 掲載]
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