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第10回 専門業務型裁量労働制に関する改正

裁量労働制って?

ひとことでいうと・・・
『業務の性質上、その業務の遂行の手段や時間の配分などについて使用者が具体的な指示をしない』
制度のことをいいます。
これは、専門性の高い業務を行う労働者や、事業運営上の企画・立案などを行う重要なポストにある労働者については、

  • 通常の労働者に比べてその始業から終業までの労働時間を管理することが難しい
  • 具体的な仕事の進め方について労働者の裁量に任せる方が成果や能率を上げることが期待できる

といったことから、このような労働者については、労使協定や労使委員会であらかじめ「みなし時間」等を定めておいて、その時間労働したものとみなすことができることにしたものです。

今回の改正で対象業務が追加されました

専門性の高い業務として専門業務型裁量労働制を適用できる業務として、

  1. 研究開発
  2. 情報処理システムの分析・設計
  3. 新聞・出版等の取材・編集
  4. デザイナー
  5. 放送番組のプロデューサー・ディレクター
  6. コピーライター
  7. システムコンサルタント
  8. インテリアコーディネーター
  9. ゲームソフトウェア創作
  10. 証券アナリスト
  11. 金融商品の開発
  12. 公認会計士
  13. 弁護士
  14. 建築士
  15. 不動産鑑定士
  16. 弁理士
  17. 税理士
  18. 中小企業診断士

に加え、大学における教授研究の業務が含まれることになり、19の業務が対象となります。

制度を導入する際の要件が追加されました

専門業務型裁量労働制を導入するためには、事業主は労使協定でその内容を定めたうえで所轄の労働基準監督署へ届出なければなりません。
今回の法改正により、その労使協定で定める事項が追加されました。
<労働協定規定事項>

専門業務型裁量労働制の適用を受けている労働者にとっては、業務が集中したり、成果を上げるために労働時間が長時間に及んだりと、少なからず健康上の不安を感じているのが現状です。

多様な働き方や労働者の能力を最大限に引き出して発揮することを可能にする、有効な選択肢のひとつとして裁量労働制を導入しているはずです。

しかし、こうした働き方がかえって働きすぎにつながるということがないよう、今回の法改正によって健康・福祉確保措置、および苦情処理措置を事業主に求めています。

ここに注意

今回の改正では、経過措置が講じられていません。
ですから、既に専門業務型裁量労働制を導入している事業所では、新しく追加された事項について定めた労使協定を締結し直し、届出る必要があります。

健康・福祉確保措置って?

具体的には、把握した労働者の勤務状況や健康状況に応じて、つぎのような措置が望ましいとされています。

  1. 代償休日または特別な休暇を付与すること
  2. 健康診断を実施すること
  3. 働き過ぎの防止の観点から、年次有給休暇についてまとまった日数を連続して取得することを含め、有給休暇の取得を促進すること
  4. 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること
  5. 必要とされる場合には適切な部署に配置転換をすること
  6. 働き過ぎによる健康障害防止の観点から、必要に応じて産業医等による助言・指導を受け、または対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせること

ここがポイント

このようにして把握した対象労働者の勤務状況やその健康状態に応じて、専門業務型裁量労働制の適用について必要な見直しを行うことを協定に含めておきましょう。

苦情処理って?

苦情処理措置については

  • 苦情の申し出の窓口、担当者
  • 取り扱う苦情の範囲
  • 苦情処理の手順、方法

などを具体的に明らかにしてください。

ここに注意

  • 対象となる労働者が苦情を申し出やすい仕組みにしてください。
    例えば・・・苦情申し出の窓口を使用者や人事担当者以外にするなど
  • 取り扱う苦情の範囲に、対象労働者に適用される評価制度や賃金制度、またこれら制度に付随する事項に関する苦情も含むようにしてください。

社会保険労務士 米田聡美
[2006年1月12日 掲載]


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