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第7回 解雇日の前でも解雇理由について証明書を請求できるようになりました

これまで労働基準法(第22条)では、
「労働者が退職する場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合はその理由を含む)について証明書を請求した場合、使用者は遅滞なく証明書を交付しなければならない」
と定め、このような「退職時証明」の交付を使用者に義務付けていました。

法改正前は、この「退職時証明」の請求は、『退職後』にできるものとされていましたが、今回の法改正では、あらかじめ解雇に関する紛争の争点を明確にすることで、解雇を巡るトラブルを未然に防止することなどを目的として、この退職時証明に加えて
「労働者が解雇予告された日から退職までの間においても、解雇の理由を記載した証明書の交付を請求した場合、使用者は遅滞なく証明書を交付しなければならない」
と定められました。
この改正により、解雇される労働者は、使用者に対して解雇の理由を記載した証明書の交付を解雇前であっても請求できることになりました。

<解雇理由の明示>

ここに注意

使用者が、退職する労働者から請求された解雇理由を明示しなかった場合や、明示した解雇理由を後日変更したような場合には、解雇の合理性を否定する有力な要素になると考えられます。

「遅滞なく」っていつまで?

法律文にある「遅滞なく」とは、一体「いつ頃まで」と解釈すればよいのでしょうか?
「遅滞なく」の場合、これは、正当なまたは合理的な理由に基づく遅滞については許されると解され、一般的には「可及的速やかに」の意味とされています。
つまり、『なるべく早く』ということです。
ちなみに、「直ちに」という表現の場合、これが最も時間的即効性が強く、一切の遅延を許さない、という意味で使われ、「速やかに」は、「直ちに」よりも時間的急迫性の緩い場合や、訓示的意味合いを持つ場合に用いられるとされています。

即時解雇と解雇理由の証明

法第22条2項の規定は、解雇予告期間中に請求のあった場合に証明書を交付しなければならないものです。
ですから、解雇予告の義務がない即時解雇の場合には適用されません。
この場合、即時解雇の通知後に労働者が解雇の理由についての証明書を請求した場合には、使用者は第22条1項に基づいて解雇の理由についての証明書の義務を負うことになります。

解雇理由の記載について

労働者から請求された解雇の理由については、具体的に示さなければなりません。
例えば、就業規則の一定の条項に該当する事実が存在することを理由として解雇した場合には、該当する就業規則の条項の内容及び条項に該当するに至った事実関係を証明書に記載する必要があります。

社会保険労務士 米田聡美
[2005年10月13日 掲載]


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