定額払いの宿泊費を実費精算に変更できるか
Q
現在、出張に要する宿泊費を役職別に定額で支払っていますが、余剰金について従業員間で不公平があることと、経費削減のために実費精算に変更し、会社で宿泊先を指定することを検討しています。この場合、労働条件の不利益変更に該当しないでしょうか。
A
定額支給方式の場合、精算手続きが不要ですので事務処理の負担が少なくて済みます。従業員は一定額の範囲内で宿泊先を手配すればその差額(余剰金)を小遣いにすることができます。一方で定額の範囲内で宿泊先が手配できないときは原則として超過した費用は自己負担になります。実費精算方式の場合は事務処理が煩雑になりますが、余剰金が発生すると一般的に会社としては経費の節減になりますし、余剰金に関し、出張する者としない者の金銭的な不公平も生じません。
さて、実費精算方式に変更したうえで会社が宿泊先を指定する場合、余剰金が発生する余地がなくなります。これが従業員にとって不利益変更に該当するかどうかということですが、余剰金取得の利益は法的に保護された利益でも権利でもなく、単に定額支給方式を採用していたことにより、精算は不要という結果を生じていたに過ぎません。宿泊費の処理方法を定額支給方式から実費精算方式へ変更する以上、従業員としては当然それに従わなくてはなりません。
就業規則の関連する条項や(出張)旅費規程を変更し、経費処理方法などの運用について周知すれば、労働条件の不利益変更という問題もなく定額支給方式から実費精算方式に変更できると考えます。
人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2004年 掲載]
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