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退職願は撤回できるか

Q

先日、退職届を提出した従業員から突然撤回したいという旨の申し出を受けました。これを拒否することはできませんか。

A

退職願(届)の提出は労働契約の解約の申込みであり、使用者(会社)がこれを承認すれば合意解約が成立することになります。(ただし、労働契約は使用者の承認がなくても2週間経過すると解約の効力が生じる。)退職願が承認される前であれば、退職の意思表示の撤回が認められます。(田辺鉄工所事件 大阪地裁決定 昭和48年3月6日)

これに対し、退職の申出が承諾され合意解約が成立した後は、退職の意思表示の撤回はできません。(八幡製鉄事件 最高第一小法廷判決 昭和36年4月27日)

つまりこの問題は使用者の承諾があったか否かということによります。

この点について判例では「会社の承諾の意思表示は、就業規則等に特段の定めがないかぎり、辞令書の交付等一式の形式によらなければならないというものではなく、職務権限上退職届の受理を最終判断する人物に渡り、その者が決済したことをもって、会社としての承諾の意思表示をしたものと解すべきである。」したがって、たとえ経営者に退職届が渡らなくとも、実質的に人事部長が最終決済をしている場合には、会社は意思表示をしたものと解されます。

なお、蛇足ですが退職の申出が承諾され合意解約が成立した後になされた撤回の申し入れを拒否しても解雇にはあたりません。

人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2004年3月 掲載]


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