社宅の貸与は賃金とみなされるか
Q
当社は、賃貸住宅を社宅(27m2)として借り上げ、従業員Aに貸与しています。家賃は月8万円で、Aからは月3万円の費用を徴収しています。A以外の住宅の貸与を受けていない従業員には、一律に月2万円の住宅手当を支給しています。この場合、Aに貸与している住宅の利益は、労働保険および社会保険ではどのように取り扱われますか。
A
労働保険において住宅の利益は、原則として福利厚生施設と解されます。しかし、住宅の貸与を受けない者に対して定額の均衡給与(住宅を貸与されている者とされていない者の均衡を図るいわゆる住宅手当)が支給されている場合には、住宅貸与の利益が明確に評価されているので、その評価額を限度として住宅貸与の利益を賃金として取扱うこととされています。(昭和30年10月10日基収2386号)
ただ、均衡給与が支給されている場合であっても、均衡給与の3分の1以上の額を住居の借料として徴収する場合には、福利厚生施設とみなされることになります。(昭和30年10月10日基発644号) したがってご質問のケースでは住宅の利益は賃金と解されません。 社会保険の場合は、労働保険と取扱いが異なります。 住宅の利益は、都道府県ごとに定められた標準価額から本人負担分を控除した額が報酬(賃金)とみなされます。
Aの住宅の居住部分は約8畳で、時価は1畳当たり1,490円(東京都)ですので、標準価額は11,920円となります。ただし、借料として標準価額以上の金額を徴収している場合は、その住宅の利益は報酬(賃金)とはせず、福利厚生施設となりますので、Aの住宅の利益は、社会保険上も報酬(賃金)とは解されません。
人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2003年12月 掲載]
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