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改正した就業規則を遡及適用できるか

Q

当社では就業規則の改正を予定していますが、遡及してこれを適用することはできるのでしょうか。

A

就業規則は、使用者が作成し、これを労働者に周知することによりその効力が発生すると解されていますが、規則に施行期日が定められていれば、その期日が到来したときから適用されます。

しかし、ときに使用者が就業規則を遡って適用することを意図して施行期日を遡及させて定める場合があり、その有効性が問題となることがあります。

ご質問では改正条項の内容については説明がありませんが、その遡及適用条項が不利益になるものであれば、遡及適用はできません。国家刑罰の発動について、憲法第39条前段が刑罰不遡及の原則として「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。」と定め、この原則は刑罰規定のみならず不利益処分一般に妥当すると解されていることから、従業員の不利益となる条項の遡及はその同意がない限り許されないのです。

これに対し、従業員の利益となる条項の遡及適用は、この原則に抵触するものではなく有効です。労働基準法第93条の反対解釈としても、従来の労働条件を引き上げる変更であれば、就業規則としての効力を認めているので、そのような変更であれば従業員の同意を得ていなくとも効力を有することになります。

〈参考〉労働基準法第93条
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効とする。その場合におい て無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2003年1月24日 掲載]


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