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退職労働者に対する使用証明とは

Q

先日退職した従業員から連絡があり、「転職のため必要なので退職時の賃金と業務の種類に関して使用証明を発行して欲しい」と言われました。会社にはこのような証明書発行の義務があるのでしょうか。そもそも使用証明とはどのようなものですか。

A

転職者を採用しようとする会社は、その入社希望者の前歴が重要な関心事となります。それを確かめるため興信所を利用したりもしますが、 直接前の勤務先の証明書を要求することもあります。そこで労働基準法は、就職活動の有力な資料となる使用証明の交付義務を定めています。(法第22条)

使用証明に記入する事項は、「使用期間」、「業務の種類」、「その事業における地位」、「賃金」、「退職の事由」(退職事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)の全部又は一部で退職した労働者(従業員)が請求した事項です。請求しない事項を記入することは禁じられています。また、これら法定記載事項以外の事項について労働者から請求があった場合は、使用者(会社)はこれを拒否できますが、記入しても差し支えありません。

使用期間中に業務の変更があった場合は、その全てを記入しなければなりませんが、労働者の希望に従ってそのうち特定の業務の種類のみを記入することは差し支えないでしょう。「その事業における地位」は役職名のみでは不充分で、その責任の範囲を明確にすべきでしょう。「賃金」は、基本給や諸手当など名称ごとに分類し、併せて1カ月分の総額も記入すべきです。

このようなポイントを踏まえて作成していただければ使用証明の書式は自由です。退職した労働者から請求があった場合は就職活動に支障がないよう遅滞なく交付してください。

なお、使用者は予め第三者と諮り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をしたり、又は使用証明に秘密の記号を記入してはならないとされていますので申し添えます。

人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2003年1月24日 掲載]


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