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資格取得費用の返還は可能か

Q

当社では会社の負担で業務に必要な資格を従業員に取得させていますが、資格取得後間もなく退職する者が少なからずおり困っています。そこで資格取得後3年以内に退職した者については費用の返還させようと考えていますがいかがでしょうか。

A

労働基準法では賠償予定の禁止として「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約 をしてはならない。」(法第16条)と定め、不当な人身拘束を禁止しています。

ご質問の取り扱いは3年以内の退職という労働契約の不履行に対して資格取得費用相当額の違約金を定め、又は損害賠償額を予定した労働契約とみなされ、本条に抵触すると思われます。

過去の裁判でも美容師見習いにつき「勝手に退職した場合は技術指導の講習手数料として入社時にさかのぼって1カ月につき4万円ずつ支払う」といった契約は無効であるとされた例や、「会社費用で留学した者が留学終了後5年以内に自己都合退職した場合は留学費用を返還させる」と いった内容の規定が無効とされた例などがあります。

これらは労働契約の一環として会社が費用を負担し、その後会社の意向に反して退職した場合は、相当額の損害を賠償させることから違法になるわけです。従ってもともと費用は従業員負担で、会社が(金銭消費)貸借契約に基づき費用を拠出し、一定期間経過後はその返済が免除される特約付きの契約という形態をとれば違法にはなりません。

ただ、会社の業務命令として資格取得をさせる一方、免除制度はあるものの、費用は本人負担とすること自体に人事制度上疑問が残るところです。この点を考慮すると貸借契約による方法も積極的にお勧めできないところがあります。

人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2003年1月8日 掲載]


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