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時間外労働と遅刻・早退は相殺できるか

Q

時間外労働(早出・残業)と遅刻や早退の時間は相殺できるでしょうか。

A

労働基準法は、1週及び1日の法定労働時間を定めています。(法第32条他)
また、労働時間についても始業及び就業の時刻を明記するよう求めています。(法第89条第1項)

これを受けて、多くの企業では始業または終業の時刻をはみ出した部分を機械的に時間外労働として扱っています。
その理由は賃金計算上煩雑なことと、労務管理上一律に取り扱うことが好ましいと考えるからであると思います。

さて、前記のように労働基準法では1日の労働時間が法定の労働時間(原則8時間)を超えた場合にのみ割増賃金を、法内の超過勤務には時間当たりまたは別の定めがあるときにはその額を支払うことを義務づけているのみで、遅刻・早退とその関連についての規定はありません。

1日の労働時間の単価は1日8時間を超えない限り、もしくは深夜におよばない限り同一ですから、遅刻の時間相当分を終業時刻後に労働して、遅刻とその時間と相殺することは何ら違反とはなりません。
ただ、貴社の就業規則が前述したような一律の取り扱いになっている場合には、遅刻・早退は控除し、時間外労働は時間外労働として支払うという計算方法が現実的です。
なぜなら、この扱いを安易に認めると時間管理の面で従業員に厳しく対応できなくなったり、真面目に出勤する者と適当な者と間に不公平感が生じたり、労務管理上望ましいといえないからです。

ただ、事情によってはこのような取り扱いが必要であるならば、就業規則に次のような規定を設けることをお勧めいたします。

(第X条)
始業及び終業の時刻は次のとおりとする。
ただし、業務の都合により全部又は一部の従業員に対し、始業若しくは終業の時刻を変更することがある。
始業 午前X時 終業 午後X時
従業員の申し出があり、会社が認めたときは前項ただし書の規定を準用することがある。

人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2002年11月12日 掲載]


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