前勤務先での退職理由を照会してもよいか
Q
退職した従業員の再就職が内定している会社から、当社を退職した理由について照会がありました。このような照会をしたり、これに応じることに問題はありませんか。
A
退職理由の照会をしたり、これに応じたりすること自体については法律上規制があるわけではありません。しかし、身元がよくわからない第三者に退職理由を知らせることは、退職者のプライバシーの侵害になる畏れがありますので、注意が必要です。
本人を介さない会社間における退職理由の照会は、なるべく避け、原則として面接や応募書類によって、本人から申告してもらうようにすべきです。しかし、特別な事情で前勤務先に問い合わせる必要がある場合には、本人から前勤務先に退職時証明書の交付を依頼し、その証明書の提出を求めるのがよいでしょう。
退職時証明書とは、労働基準法第22条に規定されている法定の証明書で、労働者が退職の場合において、
- 使用期間
- 業務の種類
- その事業における地位
- 賃金又は
- 退職の事由(退職の事由が解雇の場合は、その理由を含む)
について使用者(前勤務先)に請求できる証明書です。使用者は請求があった場合には、遅滞なくこれを交付しなければなりません。退職時証明書には労働者の請求しない事項は記入してはならないことになっています。逆に使用者は上記(1)~(5)以外の事項に関し、証明を請求されてもこれに応じる義務はありません。
また、使用者は、予め第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は退職証明書に秘密の記号を記入してはなりませんので、注意をしてください。
人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2002年1月17日 掲載]
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