労働基準監督官の立入検査の主な調査項目は
Q
ときおり労働基準監督官による立入検査が行われることがあると聞きました。当社では必ずしも労働基準法に適切に守っていると言えない部分もあるので心配です。立入検査では、主としてどのようなことをチェックするのでしょうか。
A
労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属の建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができるとされています(労働基準法第101条)。
立ち入り検査は、重大な労働災害が発生したときや労働者からの申告があったとき、又は監督官が当該事業所の違反事項を発見したときなどに行われます。その他にも一定の計画に基づいて行われる調査、例えば労働時間の調査をある業種または地域に限定して一斉に行うこともあります。
これまでの経験からいうと、労働災害の場合を除き、通常の違反事項の検査又は一定の調査については、一般的には次の事項に関するチェックが多いようですので、参考にしてください。ただし、常にこれらの項目すべてが調査の対象となるわけでなはく、そのときの調査目的により一部の場合もあります。
貴社の場合、労働基準法に抵触する部分もあるとのことですので、この機会にここに掲げた事項からまず適正な取り扱いがなされているかどうかチェックし、問題があれば適宜是正していくことをお勧めします。
立入検査の主な調査項目
(労働契約)
労働条件の明示がされているか。特に賃金については書面でされているか。
パートタイマーについては、「雇入通知書」等により雇用契約が確認されているか。
(賃金の支払い)
賃金の支払いについては、口座振込の場合は所定の手続きがなされているか。協定書があるか。
また、旅費積立、共済会費など賃金から法定項目以外の控除がある場合は賃金控除の協定書があるか。
(労働時間)
労働時間については、1週の労働時間等が労働基準法に照らして適正か。時間外・休日労働の協定書が提出されているか。
または、協定の範囲内に時間外労働が収まっているか。
(割増賃金)
割増賃金の計算が正しく行われているか。算定の基礎となる賃金の種類は適正か。1カ月平均の労働時間が正しく計算されているか。
(年次有給休暇)
年次有給休暇については不利益取り扱い(例えば、年休を取得すると皆勤手当が不支給となるなど)がされていないか。
パートタイマーにも正しく付与しているか。
(就業規則)
就業規則(変更した場合はその変更後の就業規則)が提出されているか。労働者に就業規則が周知されているか。
(均等待遇)
家族手当、住宅手当その他福利厚生面等で男女の差別待遇がなされていないか。
(安全衛生)
安全衛生管理体制は法定どおり整備されているか。定期健康診断は実施されているか。常用労働者50人以上の事業場の場合は、産業医や衛生管理者の選任届が提出されているか。定期健康診断結果報告書が提出されているか。
(最低賃金)
最低賃金が守られているか。
(建設作業者の資格)
建設業関係では、作業者の資格関係で問題はないか。
人事労務コンサルタント・社会保険労務士 金子 賢一
[2001年12月19日 掲載]
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