「税額控除」と「特別償却」どちらが有利か
Q
「税額控除」と、「特別償却」のどちらか選択適用ができると聞きました。どちらが得なのでしょうか?
A
「特別償却」とは、取得した事業年度に、取得価額の50%の特別償却を認めるというものです。
通常の減価償却は、取得した年度の償却費は、月割り計算が原則のため、期末に取得した場合には、その年の減価償却費は12分の1で計算します。ところが、この特別償却だと、期末に取得しても50%の償却が出来ます。
「税額控除」とは、取得した事業年度に、取得価額の10%の税額控除を認めるというものです。ただし、その事業年度の法人税額の20%相当額を限度とし、その事業年度に控除できなかった金額は翌年に繰り越して控除できることになっています。
特別償却は2年目以降の減価償却費を1年目に先取りしているだけなので、特別償却をすると2年目以降の償却費が減ってしまいます。つまり、課税が繰り延べられているにすぎません。
税額控除は、算出税額から投資額の一定割合を控除するので、2年目以降も償却費が減ることはなく、純粋に減税効果が得られます。
ところが、どちらが得かは一概には言えません。適用する会社の事情によって異なります。
「特別償却」の場合は、課税を繰り延べたことによる利息分程度のメリットしか得られないかもしれません。ただし、できるだけキャッシュフローを温存したい会社なら「特別償却」を選ぶのがよいでしょう。また、赤字企業では支払うべき税金がなければ、「税額控除」を選んでも節税効果はまったくありません。逆に、「特別償却」で課税の繰り延べ効果を得ることはできます。(繰越欠損金)
また、「税額控除」で、控除できなかった金額を繰り越すことができるのは翌期だけです。法人税額が少ない会社も注意が必要です。
税理士 横山 三郎
[2003年11月 掲載]
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