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第6回 損害保険の経理処理

法人が契約者として事業にかかわる保険料を支払ったときは、保険契約の役務提供を受けた時点での損金とされるのが原則です。
したがって、保険期間が全て当期に対応するものであれば保険料は全て当期の損金となり、翌期以降になる場合は、その部分は「前払保険料」として翌期以降の損金となります。
ただし、1年以内の保険料で毎年連続して当期の損金に算入しているときは、保険期間が翌期にまたがる部分に対応する保険料も当期の損金に算入できます。(短期前払費用)
また、満期返戻金のある契約については、積み立て部分の保険料は期間満了まで資産計上することができます。
ここでは、積立保険の経理処理について例を挙げて見ていきましょう。

1.積立保険の経理処理

【例1】

契約者 法人
被保険者 役員・従業員全員(10名)
保険料 月払保険料 1人 10,000円
うち平準積立保険料 1人 8,800円
保険期間 10年

ポイント!

積立部分の保険料は「保険料積立金」として資産計上され、それ以外の部分(危険保険料)は「福利厚生費」として処理されます。

仕訳

【例2】

契約者 法人
被保険者 役員・従業員全員(10名)
保険料 一時払保険料 1人 800,000円
うち平準積立保険料 1人 782,000円
保険期間 10年

ポイント!

一時払保険料の中で、損金に算入できる部分のうち翌期以降の部分は「前払保険料」となる。

仕訳

ちなみに2年目以降の経理処理は次のとおりとなります。

仕訳

借方 貸方
福利厚生費 18,000円 前払保険料 18,000円

さらに、満期時の経理処理は次のとおりとなります。(満期返戻金;1人82万円)

仕訳

借方 貸方
現金・預金 8,200,000円
雑損失 7,820,000円
保険料積立金 7,820,000円
雑収入 8,200,000円

(注)820万円―782万円が課税対象となります。

2.保険金等の経理処理

法人が火災保険金や傷害保険金の死亡保険金を受け取った場合には、受け取った保険金額をその事業年度の益金に算入することになり、次のような経理処理となります。

仕訳

借方 貸方
現金・預金 ○○ 雑収入 ○○

ただし、満期返戻金のある保険契約の場合は、保険料支払時に保険料相当分を資産計上しているので、保険金受け取り時にその部分は取り崩すことになります。

仕訳

借方 貸方
現金・預金 ○○ 保険料積立金 ○○
雑収入 ○○

(注)損害保険の中には、途中で保険金が支払われても、保険金額が減少されずに継続するものがありますが、その場合には保険料積立金は満期まで取り崩すことなく、資産計上することになります。

3.満期返戻金の経理処理

満期返戻金を受け取った場合の経理処理は次のようになります。

仕訳

借方 貸方
現金・預金 ○○ 保険料積立金 ○○
雑収入 ○○

さて、いかがでしたか。6回シリーズで企業経営において必要であろうと思われる、保険の概要から実務まで解説いたしました。
経営者の皆さんは経営する上で様々な悩みや不安をお持ちのことと思います。もしもの時、会社の運転資金は?優秀な人材を確保するには?また、自分に何か遭った場合の家族の生活資金又は、会社の継承は?等、これらの心配は保険でカバーすることが可能なのです。
この保険活用法が、今後の保険の加入または、見直しの際のお役に立てれば幸いです。

社会保険労務士 ファイナンシャル・プランナー 成岡 英律
[2006年9月11日 掲載]