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第4回 各生命保険の種類 (2)
今回は、前回の続きです。
以下、養老保険と終身保険について見ていきます。
養老保険
- 《用途》
- 借入金の返済資金の確保、役員等の退職金の準備、従業員の遺族の生活保障資金の確保、退職金の原資の確保
- 《内容》
- 生存保険と死亡保険を組み合わせた保険。
- 保険期間は一定
- 保険期間に死亡した場合は死亡保険金
- 満期時に生存していたときは満期保険金
- が受け取れる保険。
- 【養老保険】

- 《経理処理》
| 保険金受取人 | 保険料 | ||
|---|---|---|---|
| 死亡保険金 | 満期保険金 | ||
| (1) | 法人 | 法人 | 資産計上 |
| (2) | 役員及び従業員の遺族 | 役員及び従業員 | 給与 |
| (3) | 役員及び従業員の遺族 | 法人 | 1/2・・・資産計上、1/2・・・損金算入(注) (注)ただし、役員など特定の人のみを被保険者とする場合には給与 |
仕訳例
(1)保険金受取人が死亡・満期ともに法人とする養老保険の月払保険料5万円を支払った場合
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 保険料積立金 50,000 | 現金又は預金 50,000 |
(2)死亡保険金受取人が役員・従業員の遺族、満期保険金受取人が役員・従業員とする養老保険の月払保険料8万円を支払った場合
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 給与 80,000 | 現金又は預金 80,000 |
(3)死亡保険金が役員・従業員の遺族、満期保険金受取人を法人とする養老保険の月払保険料10万円を支払った場合
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 保険料積立金 50,000 福利厚生費 50,000 |
現金又は預金 100,000 |
(注)ただし、役員など特定の人のみを被保険者とする場合には、福利厚生費5万円を給与とする。
【福利厚生プランの有効活用】
この場合の費用に計上できる部分は、一般に「福利厚生費」として経理処理されます。
被保険者に万が一のことがあった場合は、遺族に対し死亡保険金が支払われて、遺族に対する生活保障として活用することができます。
満期保険金は、定年時の退職金原資として活用することができます。また、満期保険金の受け取り時の課税を防ぐ効果もあります。
つまり、生きていても、亡くなっても、必ず保険金が支払われる保険なのです。すなわち、会社にとっても保障性と貯蓄性の二面性を持っていることになり、大きなメリットがあります。
さらに、年払契約にすると、節税効果大です。(死亡保険金と満期保険金の額は同額です。)
福利厚生として養老保険を活用する場合には、以下の条件を満たすことが必要になります。
《5つの条件》
福利厚生プランとしての養老保険はメリットも大きいのですが、条件も厳しいので、導入の際には専門家などの意見を聞いて慎重に!
(1)加入目的は正しく
- 加入目的は「従業員の福利厚生・退職金の準備」です。
(2)適正な保険金額
- 保険金額については、退職金規程の範囲内で設定します。
- 保険金額については、全員一律が望ましく、もし、公平な条件(勤続年数など)で保険金額に格差を設ける場合には、合理的な基準が必要であとあとのフォローも必要です。
(3)適正な保険期間
- 保険期間は定年に合わせるべきです。
(4)加入条件の公平性
- 加入に際しては、あくまでも公平な加入が求められます。例えば女子社員を除くとか、特定の従業員のみの加入などは税務上否認されます。
(5)加入者全員の同意
- 会社が社員の知らないところで、社員自身に保険を掛けることには問題があります。
加入に際しては必ず、社員の同意を書面で取り付けておくことが大切になります。
終身保険
- 《用途》
- 事業保障資金の確保、役員等の退職慰労金・弔慰金の準備、借入金の返済資金の確保等
- 《内容》
- 定期保険と異なり、一定期間ではなく死亡保障が生涯続く保険。
保険金は被保険者が亡くなったときのみ受け取れる。 - 【終身保険】

- 《経理処理》
- 企業が負担した保険料は全額損金算入できます。また役員、従業員にとっては、保険金受取人が役員・従業員の遺族となっていても、原則として給与とはみなされません。
仕訳例
月払保険料20万円を支払った場合
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 支払保険料 200,000 | 現金又は預金 200,000 |
【POINT】~死亡保障~
生命保険は、生存してリタイアした場合のほか、もしものときの遺族に支払われる弔慰金の両方を同時に備えられる便利な金融保険といえます。
【参考】~利益の平準化で余裕資金を~
・「貸借対照表」の左側には、
・お金に換えた場合(売却など)に利益が生まれるもの=「含み益」
と、
損失が生じるもの=「含み損」
があります。
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
「含み益」
|
これらを会社の損益状況にうまく対応させて余裕資金を作る方法があります。
それは「利益の平準化」といわれる方法です。
「含み益で利益を平準化する方法」
単に「含み益」を表面化しただけでは、税金が発生してしまいます。「含み益」で他の赤字を
補填できれば課税を受けずにすむので、「含み益」がまるまる余裕資金となるでしょう。
「含み損」で利益を平準化
「含み損」を表面化しただけでは赤字が膨らむだけで、銀行などに対する信用力が低下してしまいます。「含み損」で他の黒字を相殺できれば、課税を受けずにすむので、納税資金の分だけ余裕資金となるでしょう。
以上、生命保険について述べてきましたが、次回は、法人契約の損害保険について見ていきます。
社会保険労務士 ファイナンシャル・プランナー 成岡 英律
[2006年7月13日 掲載]
