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第6回 事業承継対策のまとめ
今回は最終回として、これまでの前5回を通して説明した事業承継対策を振り返り、事業承継対策を成功に導くポイントを確認してみます。最後に、中小企業経営者の事業承継を支援する仕組みや事業承継準備のための事前チェックシートを掲載しておりますので、実際に事業承継を検討する際に参考にしてください。
事業承継を成功に導くポイント
事業承継対策とは、「現在の経営者が自分の意思によって生前に次の経営者にふさわしい後継者を選出して、教育し、社内外の関係者に認知させ、経営(経営権)と所有(株式)を併せて計画的にバトンタッチすること」と定義できます。
この定義に沿って事業承継対策を準備する上では、一方で後継者を誰にするか、交代の時期をいつにするか、どのように後継者を育成するか、社内外の関係者からいかに後継者への理解が得られるようにするかといった人的な面に焦点を当てた「後継者教育」や「経営環境」の対策が求められます。
他方で、いかに会社法を活用して株式を現社長から後継者に集中させるか、いかに生前贈与を活用して相続税負担を圧縮する最適な方法を検討するか、いかに遺言を活用し後継者以外の相続者との争議紛争を防止するかといった物的な面に焦点を当てた「企業経営」や「相続対策」の対策が求められます(第2回事業承継対策の4つの視点を参照)。
このように、事業承継対策を準備する上では、「経営」と「所有」を併せ持つ、或いは「人的な面」と「物的な面」を併せ持つ、綿密な事業承継計画を策定することが必要です。
事業承継計画は、中長期の経営計画に事業承継の時期=「いつ」、具体的な対策=「誰に」「どのように」を盛り込んだものです。中長期にわたる計画ですから事業承継計画を策定する際には、事業を継続するという前提で経営全般を見据え、「現状を把握する」⇒「事業承継方針を決める」⇒「スケジュール化する」と段階を踏まえて着実に進めることが大切です(第3回事業承継計画の立案のステップを参照)。
事業承継対策は、計画段階での最終的なゴールとして、前回掲載いたしました事業承継計画(事業承継計画例:親族への承継)の策定を目指します。
事業承継を支援する仕組み
ご覧いただいたように事業承継対策は、法制面、税制面などの様々な方策を検討しますので、様々な専門知識が必要となります。そのため、経営者独自で対応することが難しく、弁護士、税理士、公認会計士、中小企業診断士などの専門家に必要に応じて適宜相談しアドバイスを活用することが有効です。
現在、事業承継を支援する仕組みには、独立法人中小企業基盤整備機構や商工会議所・商工会などがあります。
事業承継計画の詳細、事業承継に関する法制や税制については、「事業承継協議会」のホームページに掲載された「事業承継ガイドライン」「事業承継ガイドライン20問20答」などに詳細が記述されていますので参照してください。
東京商工会議所には中堅・中小企業のM&Aを支援する相談窓口「東商M&Aサポートシステム」がありますので参照してください。
事業承継対策準備のための事前チェックシート
最後に、事業承継対策準備のための事前チェックシート(例:親族への承継の場合)を掲載しておきます。チェックシートの前半では、事業承継時期(承継時の経営者の年齢、後継者候補の年齢)や後継者候補の有無を確認してみてください。後半では、事業承継対策において具体的に検討すべき項目を「企業経営」「後継者教育」「経営環境」「相続対策」の4つの視点から列挙しましたので、準備の有無を確認してみてください。
<事業承継対策準備のための事前チェックシート>

(出典 中小企業庁 事業承継ガイドライン20問20答より)
中小企業診断士 中村 俊雄
[2007年9月13日 掲載]
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