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第3回 事業承継計画(1) まず現状把握から
今回から事業承継対策を進める上での要となる計画作りをご紹介していきます。物事は計画的に取り組むことによって、より少ない労力で最大効果を得ることができるものです。これは事業承継対策においても同様です。
事業承継計画は、中長期の経営計画に事業承継の時期=「いつ」、具体的な対策=「誰に」「どのように」を盛り込んだものをいいます。いきなり、細かいテクニックに目を向ける前にまず、事業を継続する、という前提で経営全般を見据え、計画を策定していくことが肝要です。計画が立案できたら、その計画にしたがって事業承継方法に応じた具体的な対策を実行していくことになります。
<事業承継計画の立案ステップ>

現状を把握する
計画立案の第一歩は現状の把握と分析です。現在おかれている状況を、企業経営と資産相続の両面で正確、かつ冷静に認識した上で対策の方向性を検討していきます。
後継者候補の現状、会社の経営状況、経営者自身の状況、の3点は事業承継対策を進める上での重要な与件となります。
[1] 後継者候補の現状
- 後継者候補の有無を確認する
親族内、社内や取引先等の中から後継者となり得る人材をリストアップします。 - 候補者の適性を整理する
候補者の年齢、経歴、会社経営に対する意欲、知識や能力など、経営を任せるにふさわしい後継者の適性条件を整理していきます。
[2] 会社の経営状況
- 「今の姿」を確認する
経営状況をヒト、モノ、カネ、情報という経営資源で捉えていきます。定量的な姿としては、社員数、社員の年齢構成、事業用資産・負債、株主構成、自社株の評価額、売上高、経常利益などが、また、定性的な姿としては、独自の技術や保有する知的財産権、社員の能力資格、市場での競争力、などが考えられます。これらから自社の強みは何か、反対に弱点は何かを分析しておきます。 - めざす「将来の姿」を描く
現経営者が持つ経営理念(あるべき姿)、将来の事業見込み、到達目標など後継者に託していきたい経営の方向を明らかにしておきます。
[3] 経営者自身の状況
現在の年齢や健康状態を見極める
最大の経営資源は経営者自身です。経営者の経営能力は年齢と無関係、と言いたいところですが、厳しい競争社会で経営の陣頭指揮を取っていくには精神的にも肉体的にもどこかに限界があるのです。- 保有する資産と負債を特定する
相続が発生した場合に、相続対象となる個人名義の資産や個人保証などを特定しておきます。
特に保有する自社株式の持株割合と評価見込とは必ず把握しておくことです。 - 相続時に発生しそうな問題点を想定する
法定相続人数、相続人の自社株式保有、相続税見込額(試算)、必要な納税資金額(試算)など、相続時に争議になる可能性のある事柄を想定しておきます。これらは相続後、後継者に経営権を集中させるため、過半数以上の自社株式を保有できるかどうか、に大きく関係してきます。
中小企業診断士 仲野 和秀
[2007年6月14日 掲載]
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