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第6回 高年齢者雇用延長に関する助成金について
今回は、高年齢者の雇用延長に関する助成金について見ていきます。助成金制度を活用するためには、まずは制度が存在することを知らなければなりません。また、制度には申請期限があり、期限を徒過してしまうと申請することができなくなってしまいます。
以下、紹介する助成金についてもそのような点に注意してお読み下さい。
1. 助成金の趣旨
継続雇用の推進および定着を図ることを目的とし、定年延長制度または希望者全員を65歳以上の年齢まで継続して雇用する制度を新たに導入する事業主、および同制度にともなって、一定割合を超えて高年齢者を雇用する事業主に対して助成金を支給する制度です。
また、以下の趣旨に基づく制度を構築した企業に対しては、助成金の加算が行われます。
高齢期には、意欲・体力などの個人差が拡大することを踏まえ、多様な雇用・就業ニーズに対応した働き方を確保するため、待遇面を変更することなく、従来より短い労働時間で働くことを選択できる制度の導入を促進することが重要です。
このため、65歳以上の定年の導入と同時に、従前より所定労働時間は短いが、その他の労働条件は同じ条件で働くことができる制度を創設し、その制度が適用された場合に助成金の支給を行うものです。
(注)以下の用件を満たしている事業主は助成金が支給されませんので、ご注意ください。
- 労働保険料の滞納
支給申請日において、労働保険料を2年を超えて滞納している事業主については、支給されません。 - 給付金の不正受給
支給申請日から起算して3年前から当該回の支給申請日までの間に、偽りその他不正の行為により、雇用保険3事業にかかる各種給付金を受け、または受けようとした事業主については、支給されません。
2. 助成金の内容
【助成金の種類】
今回、ご紹介するのは、「雇用継続定着促進助成金」です。
【助成内容】
企業規模と定年の引き上げなどの期間に応じ、30万~300万円を最大5年間助成金が支給されます。
就業規則などにより、新たに65歳以上の定年延長または定年の制度を設けた事業主が、同時に60歳以上の「高齢短時間正社員制度」を設け、これを適用した場合は、上記の助成金額に一定の加算措置が認められる場合があります。
【主な支給要件】
第1回支給対象事業主
次のいずれにも該当する雇用保険の適用事業主に支給されます。
- 下記2.の継続雇用制度導入日から1年以上前において労働協約または就業規則により60歳以上の定年が定められていること。
- 労働協約または就業規則により、次の(イ)または(ロ)に該当する継続雇用制度を設けたこと。
- (ア) 定年延長など
- 次のaまたはbのいずれかにより、61歳以上の年齢まで雇用する制度を設けたこと。
- a.定年を61歳以上の年齢により引き上げることにより、当該引き上げ前の定年を越える年齢の者を当該引き上げ後の定年に達するまで雇用する制度。
- b.定年前と同一またはそれ以上の労働条件(労働時間・賃金制度等)を適用して期間の定めのない雇用契約により雇用する際雇用制度、勤務延長または在籍出向制度。
- (イ) 定年延長等以外の継続雇用制度
- 上記(イ)のbを除く際雇用制度、勤務延長制度または在籍出向制度により、65歳以上の年齢まで雇用する制度を設けたこと。
- 上記2.の継続雇用制度の導入前の過去における定年または継続雇用制度による最高の退職年齢を超えるものであること。
- 上記2.の継続雇用制度を導入した日において、常用被保険者のうち、1年以上継続して雇用されている55歳以上65歳未満の常用被保険者が1人以上雇用されていること。
第2回以降支給対象事業主
次のいずれにも該当する雇用保険の適用事業主に支給されます。
- 第1回の支給申請時における条件を低下させていないこと。
- 制度の適用を受けた常用被保険者等を事業主の都合により利殖させていないこと。
- 制度の適用を受けた常用被保険者等が継続雇用制度導入日における常用被保険者の数に応じて雇用されていること。
【支給期間】
- 継続雇用期間(65歳までの期間で5年を限度とする。)に応じて年1回支給されます。
【支給額】
- 導入した継続雇用制度の内容により、企業規模および継続雇用期間に応じて次ぎの額が支給されます。
| 制度の内容 | 1. 61歳から64歳 | 2. 65歳以上 | 3. 定年延長等以外の継続雇用制度 |
|---|---|---|---|
| 継続雇用期間 | 1~4年 | 1~5年 | 1~5年 |
| 企業規模 | |||
| 1人~9人 | 35×1~4年 | 45×1~5年 | 30×1~5年 |
| 10人~99人 | 75×1~4年 | 90×1~5年 | 60×1~5年 |
| 100人~299人 | 150×1~4年 | 180×1~5年 | 120×1~5年 |
| 300人~499人 | 185×1~4年 | 220×1~5年 | 150×1~5年 |
| 500人~ | 200×1~4年 | 300×1~5年 | 200×1~5年 |
(注)なお、導入した継続雇用制度の内容が、表の1.と3.の組み合わせである場合には、「61~64歳定年延長等」により引き上げた部分は1.の額が、それ以外の部分は3.の額が支給されます。
【支給申請に関する注意事項】
- まずは、就業規則(変更前:変更後ともに必要です)を持参のうえ、(社)高齢者協会の窓口に行く必要があります。
- 窓口で就業規則の変更内容のチェックを行ったうえで、助成金の支給該当ということになると、以下の書類を準備して申請となります。
- 助成金支給申請書
- 就業規則(変更前:変更後)
- 登記事項証明書
- 雇用保険被保険者資格取得確認通知書
- 預金通帳等
- 労働保険料確定保険料申告書
- 委任状(代理人による申請を行う場合)
- ただし、助成金の支給に関しては、提出書類の量が膨大となり、また手続き期限が厳密に定められているため、ついうっかりと提出書類の準備もれや、期限を忘れていたということになると助成金の受給が不可となってしまいますので、然るべき専門家(社会保険労務士など)に手続き全般について相談のうえ、委託するのが賢明かと考えます。
社会保険労務士・ファイナンシャル・プランナー 成岡 英律
[2006年9月29日 掲載]
