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第6回 環境会計に関するトピック
最終回となる今回は環境会計にまつわるいくつかの考え方や会計手法等について解説します。
1.環境経営について
環境会計が注目を浴びているのと同時に、環境経営をいかにして企業がスムーズに導入していくかが大きな関心事になっています。企業活動が大規模になっている現在では企業自身がどのような意思決定を行うかによって、環境に与える負荷が全く異なってしまうほどその重要性が高まっています。
これを企業自身がしっかりと認識し、社会的な存在として責任ある行動を起こしていくことが、環境問題において極めて重要であるのです。
一方企業は本質的には営利を目的として活動しているため、環境に配慮した経営を行うことが同時に達成できるかどうかということが非常に重要となります。
というのも、従来の考え方では、「エコロジー」と「エコノミー」は両立できないという考え方が主流でした。つまり、環境保全活動は利益を圧迫するものであり、収益獲得活動とはトレードオフの関係にあると考えられてきたのです。
しかし、現在の考え方はむしろ、環境とうまく付き合えない企業であったり、環境に負荷をかけたりする企業は生き残れないという考え方が主流になってきており、企業は環境経営を取り入れることを前提として収益獲得活動を行っていくのがより望ましいと考えられるようになってきています。
環境経営はまさに、環境保全活動と収益獲得活動を同時に達成することでさらなる相乗効果を上げていくマネジメント手法といえるのです。
2.マテリアルフローコスト会計について
マテリアルフローコスト会計とは、投入された原材料類(マテリアル)を物量で把握し、マテリアルが企業内若しくは製造プロセス内をどのように移動するかを貨幣と物量で測定しながら追跡する手法であるとしています。
環境コストの評価方法として、投入と産出の結果を比較するだけにとどまらず工程段階の階層下で隠れていたロス(廃棄物コスト)を可視化することに特徴があり、このマテリアルロスを「負の製品」と見なして算定します。
廃棄物削減と生産性向上(環境負荷の低減と企業利益の追求)を同時に実現することを意識した環境管理会計手法とされています。
3.環境会計による業績評価について
環境会計による業績評価の枠組みの中で、企業を評価する指標があります。その方法には、例えば環境効率(エコ・エフィシェンシー)や環境保全効果の統合的評価があるとされています。ここでいう環境効率は、環境負荷1単位当たりどれだけの経済的価値を生み出すかを示す比率になります。環境効率という考え方は、その企業が経済活動を行ううえでより環境負荷をかけずにすませることができるかどうかを、指標により明らかにすることを目的にしています。
この考え方は、例えば投資意思決定において、従来、資本利益率によってより効率の良い投資案を選択していたのと同様に、より環境効率的の高い企業に投資若しくは融資を行おうとする意思決定手法として有用と考えられます。
一方、環境保全効果の統合的指標による評価には、環境パフォーマンスの改善量で評価する方法があります。この方法には、物量単位のままで評価を行う場合の他に金額に換算して評価を行うことも試みられていますが、一般的かつ普遍的な基準を設けるのは難しく、各企業が独自の判断で自社に適した合理的な基準で算定していくのが現実的かと考えられています。
以上、環境会計に関するいくつかのトピックを列挙いたしましたが、わが国の環境会計はこれから制度化に向けて様々な議論を行っていく過程にあります。
環境省が主体となって進めているわが国の制度作りは、国際的な潮流も取り入れた地球規模での環境保全に整合する会計制度として完成が期待されています。
(参考)環境経営なるほどQ&A 中央経済社
公認会計士 藤田 博司
[2009年3月12日 掲載]
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