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第5回 環境会計の構成要素 (3)環境保全対策に伴う経済効果
第5回となる今回は前回に続き環境会計の構成要素(効果部分)についての解説です。
<3>環境保全対策に伴う経済効果

環境保全対策に伴う経済効果は、環境保全対策を進めた結果、企業等の利益に貢献した結果とし、貨幣単位で測定するものとされています。
環境保全対策に伴う経済効果は、その根拠の確実さの程度によって、実質的効果と推定的効果に分けることとしています。
実質的な効果は、確実な根拠に基づいて算定される経済効果とし収益によるものとコストの削減によるものがあります。一方推定的効果は仮定的な計算に基づいて推計される経済効果としています。
実質的な効果の例として、収益によるものとしては廃棄物のリサイクルによる収入などが挙げられます。また、コストの削減によるものとしては、事業活動に投入する資源に関するもの(水の循環利用による水道料の削減など)や、事業活動に伴い発生する環境負荷に関するもの(リサイクルに伴う廃棄物処理費用の削減など)が挙げられます。
一方推定的効果については実質的効果に比べると蓋然性が低く、どうしても推定的な要素が含まれてしまうため、この効果を算定する方法はガイドラインでは示されていません。
したがって各企業が独自の算定方法を考えて、算定しているのが現状となっています。
例えば環境保全対策に伴う経済効果を開示している企業では、推定的効果を「みなし効果:仮定を用いて環境負荷の削減量を金額換算したもの」、「顧客効果:製品使用段階での環境負荷低減効果(消費電力の削減等)を金額換算したもの」及び「リスク回避効果:投資前後の環境リスク減少額を算出したもの」の3つに分類して算定しています。
この部分に関しては企業が様々な算出方法の中から、自身がどのようにして最も合理的な方法を選択しているかを説明できるかがポイントになってくると思われます。
また、環境保全対策に伴う経済効果は貨幣単位で測定される効果であるため、財務会計との親和性が高い指標であるとも考えられます。
今後、環境情報システムの構築にあたっては、環境保全対策に伴う経済効果の測定といった観点を重視していくのも必要かと思われます。
連結環境会計について
財務会計においては連結財務諸表の作成や、連結グループ経営の考え方が既に浸透していますが、環境会計においても連結グループとしての活動を環境情報として取りまとめる重要性が高いと考えられています。
すなわち、連結グループとしての経営を考えると、関係会社における自主的な経営の意思決定は通常制限されている一方で、グループの経営管理を主目的とし、生産、販売、物流機能などを関係会社に委託しているような持株会社においては、単独で発生する環境負荷はむしろ限定的と思われます。
このような場合には、単に法人格を単位とした情報では、企業集団全体の環境保全活動の全容がかえって把握できなくなってしまいます。
この観点から、連結環境会計という発想が誕生しています。
そのため、どこまでを連結の範囲に加えるかという問題に対しては、財務諸表における連結の範囲の決定に関する考え方とは異なり、環境保全上の重要性に応じた連結範囲として設定することになります。ここでの重要性の判断基準は、当該企業集団の環境影響全体を勘案して決定することになります。
ガイドラインでは以下の基本的な流れに従って連結環境会計を実施することとしています。
- 連結の範囲の決定
- 対象組織の個別の環境会計情報の集計
- 個別の環境会計情報の合算
- 内部取引による二重計上の消去
(参考)環境会計ガイドライン2005年版
環境経営なるほどQ&A 中央経済社
公認会計士 藤田 博司
[2009年2月12日 掲載]
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