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第4回 役員給与の改正(3)
(4)利益連動給与
1.意義及び要件
業績連動型賞与は、平成14年の商法改正により認められるようになりました。ただし、税務上は平成18年税制改正前までは役員賞与は、その本質が利益処分であるため、一貫して損金不算入としてきたことは、第4回の(1)でも触れたとおりです。
しかし、会社法上、役員賞与も職務執行の対価として規定され、会計上も費用処理すべき基準が導入されたため、これを受けて、税務上も損金算入の道が開かれました。
ただし、租税回避等を防止するため、損金算入のための細かい条件が設けられています。
<利益連動給与の損金算入要件>

(注1)いわゆる非同族の同族会社についても、同族会社であるため、適用はありません。
(注2)業務執行役員の意義
業務執行役員とは、次の者をいいます。

従って、会社法上の監査役・会計参与は対象とはなりませんので注意が必要です。
(注3)業務執行役員の全ての者について、一定の要件(A)を満たすことを要求していますので、一部の者でも要件を満たさないものがある場合には、全ての者についての利益連動給与が損金不算入となることに注意が必要です。
(注4)利益に関する指標は、有価証券報告書に記載されるものに限ります。又、利益に関する指標とは、例えば、営業利益、経常利益、当期利益、各種利益率などが考えられますが、売上高などは利益に関する指標ではないため該当しないことになります。
(注5)確定額を限度としているものとは、支給額の上限が金額的に定められていることをいいますので、例えば、「経常利益の○○%を限度とする」という基準では要件に該当しないことになります。
(注6)「他の業務執行役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること」は、条文上の表現であり、文言どおりの解釈によりますと、全ての業務執行役員に対して支給する利益連動給与の算定方法は同一でなければならないことになりますが、財務省主税局総務課課長補佐他執筆の「税制改正のすべて」(財団法人日本税務協会出版)では、「~役員の職務内容等に応じて合理的に定められている場合には、役員ごとに利益関連指標が異なることを妨げるものではありません。もとより、限度とされる確定額の水準や算定に用いる係数が同一であることまでを求めるものではありません。」と、一定の幅を持たせているため、この点は今後の通達等で整備される可能性があります。
(注7)これに準ずる適正な手続として一定の手続きとは、次のものをいいます。

(注8)取締役会の諮問に応じ、当該内国法人の業務執行役員の個人別の給与の内容を調査審議し、及びこれに関し必要と認める意見を取締役会に述べることができる三以上の外部の委員から構成される合議体(その委員の過半数が当該内国法人の(注2)に掲げる役員又は使用人となったことがない者であるものに限ります)をいい、業務執行役員関連者(注9)が委員となっているものは除かれます。
(注9)業務執行役員関連者とは、次に掲げる者をいいます。(法法69(1)三イ(2))

(注10)財務省令で定める方法により開示
有価証券報告書に記載する方法の他、証券取引法に規定する半期報告書・臨時報告書、又は、証券取引所の業務規定又はその細則を委ねた規則に規定する方法に基づいて行う当該事項にかかる開示による方法も認められています。
また、損金算入できる利益連動給与は、その法人の業務執行役員の全てに対して支給するもので、かつ、個々の業務執行役員に支給する利益連動給与について、そのそれぞれが要件を満たすものでなければなりません。従って、開示についても基本的には、その個々の役員について行う必要があります。
ただし、開示の目的はあくまでも利益連動給与の算定方法の内容であり、役員の個人名の開示を求めるものではありませんので、その肩書き別に利益連動給与の算定方法の内容が明らかにされていれば足りる旨が明らかにされています(「役員給与に関するQ &A」H18.6)。
<参考文献>
「役員給与の税務40問40答」杉田宗久・備後弘子(清文社)
「18改正税法のすべて」(財団法人日本税務協会)
税理士 高橋 勤也
[2007年4月12日 掲載]
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